写真表現をマスターしよう
ようこそ当コンテンツへ
写真に関心をもっていらっしゃる皆さん、ようこそいらっしゃいました。
私は当コンテンツを担当している、中村誠と申します。1943年生まれで、多摩美を卒業して以来、写真教育に携わってきております。言葉だけで、「写真」あるいは「写真による表現」について説明することは難しいのですが、後記の「心の動く写真と今一歩の写真――実例による学習」なども含め、できるだけ具体的にかつ解り易く説明してみます。
実用写真と表現写真
- われわれの身の回りには写真があふれていますね。新聞、雑誌、絵葉書、カレンダー、パンフレット、パソコンのサイト、写真集、展示された写真、個人のアルバムなどなどなど。これらをここでは二つに分けてみたい――「実用・報道写真」と「表現写真」に。
- 報道写真は、例えば、アメ横の混雑振りがよく歳末風景として新聞に載りますね、あれです。その写真に求められるのは、見れば解るという解り易さ、同じことですが、一つの言葉("ああ歳末だなあ")にすぐ転化できることが重要です。
また、ポスター、カレンダーなどの実用写真は、われわれ万人が共通して持っている美意識が基盤になっている。これも、一種の解り易さ(みんなが"ああきれいだなあ")がポイントになる。 - 音楽の話にたとえますと、クラシックもジャズも、イージ−リスニングは別にして、こちらから"聴きに行く"ことが求められる。ジャンルは違うが、逆に演歌は歌い手がすべてを用意してくれる。これでもかと用意してくれる。聴き手は待っていればいい。表現写真は前者に近く、実用写真は後者に近い。
もう少しお話しすると、実用・報道写真というものは、例えば、富士山、歳末風景、お花畑などという言葉が、あるいは概念が初めにあって、それを解かるように表現する。従って、その写真を見ると一目でその言葉・概念にたどり着く。実用・報道写真とは、その役割からそういうものでなくてはならないのです。それを見ている過程では、われわれがみな共通して持っている、普遍的であるが故に浅薄な概念、美意識が作用する。だからすぐ解る、これは00であると。頭の中での認識し、判断し、解釈するという作業が一瞬にして生じかつ終わる。すなわち、写真とそれを見る者の関係は一瞬にして幕を閉じる。
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写真表現とは?
- これに対し、写真で何かを表現しようとする場合は、"言葉を離れなければ"いけない。名付ける前の存在を撮るのです。凝視しそれを撮りこむことによって、見えなかったものを"写真にあぶりだす"のです。
従って、まず予見をもって「これは林檎であって林檎を撮るのだ」という気持ちで向かってはいけない、美しく撮ろう、これでもって人の気持ちを動かし、キャンペーンの実を挙げよう、そんな意図を持って撮ってはならない。言葉にならない、何か"あっ"というような心の動きがスタートとなるのです。従って、その写真は、言葉で簡単には説明できないものになっているはずです。 - 難しいことですが、何か撮るほうに"意図"があると、鑑賞者は、その意図を読んでしまい鑑賞することを止めてしまう。言い方を変えると、そういう写真は、見るほうに鑑賞のし方を一つに強制していることになる。逆は、「鑑賞側に自由に想像させる」ことです。想像の余地が大きいのが表現写真であるとも言えます。
- 以上でお分かりのように、「写真表現」ということは、「どうやってうまく、あるいは美しく写すか」ということではありません。自分は「何をみているのか」を問い返し、写真独自の表現の仕組みを知るところからはじめるのです。まずは一生懸命モノを観察する、そういう目を育てることから始めることです。
私と他者、私と風景、私と社会など、自分と自分の周りに広がる環境を結ぶところにカメラを位置させる。それは写真を撮ることでありながら、これまでの経験や生い立ちと向き合い、自己を開放し、現在の立場や社会活動の中に潜んでいる、本来の、あるいは新しい自分だけの世界を写真の中に発見する作業になるはずです。
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カメラの種類と特徴
1.デジタルカメラと銀塩(フイルム)カメラ
- これに対し、写真で何かを表現しようとする場合は、"言葉を離れなければ"いけない。名付ける前の存在を撮るのです。凝視しそれを撮りこむことによって、見えなかったものを"写真にあぶりだす"のです。
従って、まず予見をもって「これは林檎であって林檎を撮るのだ」という気持ちで向かってはいけない、美しく撮ろう、これでもって人の気持ちを動かし、キャンペーンの実を挙げよう、そんな意図を持って撮ってはならない。言葉にならない、何か"あっ"というような心の動きがスタートとなるのです。従って、その写真は、言葉で簡単には説明できないものになっているはずです。 - 難しいことですが、何か撮るほうに"意図"があると、鑑賞者は、その意図を読んでしまい鑑賞することを止めてしまう。言い方を変えると、そういう写真は、見るほうに鑑賞のし方を一つに強制していることになる。逆は、「鑑賞側に自由に想像させる」ことです。想像の余地が大きいのが表現写真であるとも言えます。
- 以上でお分かりのように、「写真表現」ということは、「どうやってうまく、あるいは美しく写すか」ということではありません。自分は「何をみているのか」を問い返し、写真独自の表現の仕組みを知るところからはじめるのです。まずは一生懸命モノを観察する、そういう目を育てることから始めることです。
私と他者、私と風景、私と社会など、自分と自分の周りに広がる環境を結ぶところにカメラを位置させる。それは写真を撮ることでありながら、これまでの経験や生い立ちと向き合い、自己を開放し、現在の立場や社会活動の中に潜んでいる、本来の、あるいは新しい自分だけの世界を写真の中に発見する作業になるはずです。
※参考サイト:「デジタルか、銀塩か?」
http://www.pit-japan.com/ws30/a_d.html
2.一眼レフとコンパクトカメラ
- 一眼レフというのは、判りやすく言えば、撮れるものがそのままファインダーに写る。つまり一眼のレンズからの光(撮影対象)が一枚のミラーとプリズムで反射されファインダーに入ってきます。そこから、"一眼"レフと言われるわけです。
逆にコンパクトカメラにはレンズのほかに対象を捉えるファインダーなるものがあり、そこにに写るものは、実際に写るものとは異なる(ファインダーのすぐ前に手を出して見れば分かる、それは写真と写る異なる)。
まあそれでは困るので、この誤差=パララックスはメカ的に実用に支障ない程度補正されてはいますが。
―――もっともデジタルカメラの液晶モニターには、同じものが写る。 - 一般的に一眼レフの方が高価で、またレンズ交換も可能である。
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モノクロ写真の魅力
プロの撮る商業写真も、アマチュアの皆さんの記念写真も、その太宗がモノクロからカラーに切り替わって久しい。しかし、アマ・プロともモノクロ写真を撮り続けていることも事実。記録としての機能はカラーが上だが、モノクロも独自の表現手段として地位を保っていると言えるでしょう。
テクニックを駆使して作画された、輝くような白から深みのある黒まで幾つもの諧調を湛えたモノクロ写真は、我々の想像力をいつまでもかきたててくれる。
モノクロ写真は、現実のカラーの世界を抽象化している。その分見るものにとって想像する余地が多くなる。今はもうないが、かってラジオでドラマを
放送していて、それをドキドキ、ワクワクしながら聴いていた。音のみで画像がないという抽象化が、聴く者に想像するスペースを広げた―――モノクロ写真の魅力に比喩されます。
※参考サイト:「モノクロ写真研究室」
http://www.baw-photo.info/
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写真展などご案内
- 富士フォトサロン
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/ - コダックフォトサロン
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/professional/photoSalon/4p140000.shtml - ニコンサロン
http://webseek1.cab.infoweb.ne.jp/cgi-bin/common.cgi - キャノンギャラリー
http://cweb.canon.jp/s-tower/floor/2f/gallery/space/index.html - コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/about/plaza/schedule/index.html
写真学校情報
社会人・主婦・学生向け
- 写真表現 中村教室
http://anthony.jp/ - バンタンキャリアスクール
http://www.vantan-career.co.jp/main.php?uid=49641 - EOS学園(キャノン主宰)
http://www.canon-sales.co.jp/camera/school/index-j.html - ニコン塾
http://www.nikon-image.com/jpn/enjoy/class/ - 写真の学校|東京写真学園
http://www.photoschool.jp/ - あい写真学校
http://www.geocities.jp/osibe1010/photoschool01.htm
専門学校
- 東京綜合写真専門学校
http://www.tcp.ac.jp/ - 日本写真芸術専門学校
http://www.npi.ac.jp/ - 東京ビジュアルアーツ
http://www.tva.ac.jp/
第2回オフ会3月7日(火)19〜21時に開催されました。
第1回は11月26日(土)、12月8日(木)の両日に開催されました。
参加者の感想と努力作品をお楽しみ下さい。
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マイスター
中村誠(なかむら まこと)写真表現中村教室主宰
1943年東京生まれ
多摩芸術学園(現多摩美術大学)卒
日本写真芸術学会会員(社)日本広告写真家協会APA会員
厚生労働省認定写真一級技能士
写真表現中村教室サイト参照 http://anthony.jp/
マネージャー
国安信弘(くにやす のぶひろ)NPO E-OJISAN理事長
1942年生まれ 67年大学卒業後、銀行勤務、銀行に籍を置きながら、ドイツの銀行、中央官庁、証券会社などに出向。
96年メーカーに転職、05年より証券会社勤務 それらの人脈を生かし、84年「金懇会」(カッコよく言えば異業種交流会、実態はオジサンの呑み会)をスタートさせ、拡充中
現在メンバー140名 2004年末204回開催